硬券裏「心に残る良い旅を」のエピソード

カテゴリー: はこトリ制作記 | 記事掲載日: 2019/04/21(日)

はこトリ2019のサポートグッズは… 限定硬券

裏面には「心に残る良い旅を」

はこだてトリエンナーレのサポートグッズとして、1000円以上の寄付には、スペシャル硬券&ポストカードをお礼にプレゼントしています。

どんな硬券かというと…

活版印刷の本格派

裏面に書かれた「心に残る良い旅を」の文言は、道南いさりび鉄道の泉沢駅ホーム(山側)に見ることができます。

(2011年11月:中里俊之さん撮影)

この黄色の素敵な看板は、「花の駅長」として親しまれていた前駅長の山本金次郎さんが書いたのでは?という噂をきいていました。2015年3月26日より現駅長を務める吉田進さんが、もしかしたらそのあたりのエピソードをご存じではないかと、泉沢駅に向かってみたところ・・・

「心に残る旅」は・・・?

駅に着いて、びっくり。冬の間は読解可能だったのですが、雪に耐えられなかったのでしょうか。春に目にした看板は、もともと何が書いてあるか知っている人ではないと読みとるのが困難なほどになっていました。

2018年冬(敷村朝生さん撮影)
2018年春(紀あさ撮影)

この駅は簡易委託という形態で、駅長を務めるのはいさりび鉄道の人ではなく、泉沢自治会長の吉田さんですが、吉田さんは国鉄のOBでもあります。

泉沢駅、吉田進駅長

「黄色の看板は(1988年に)青函トンネルが通る前からあった気がするから、前駅長よりももっと前からじゃないかな」

伝統の前に、新鮮な驚きとともに、取材としては突然座礁に乗りあがったような・・・。ちなみに前駅長の山本さんも元国鉄マン。彼は泉沢駅助役を1981年に退職して、1982年からの簡易委託駅長を務めておられたため、トンネル以前だとしても年代考証としては山本前駅長の可能性は、なくもないのですが。

経年によって看板が読みづらくなってきたことについては、吉田現駅長も気にしておられて、今は、待合室内に同じ意味の言葉を飾っていました。

「楽しい旅かと思っていたら、良い旅でしたか」

硬券を手に「楽しい旅」の前で

良い旅から、楽しい旅へ。

歴史を調べたかったのですが、思いが根付いているのがうれしかったので、それ以上過去は聞かないことにしました。

簡易委託駅長が国鉄OB同士で引き継がれるという、なかなかディープなこの駅。
山本さんから吉田さんへ代替わりして3年。

花の駅として知られた花壇も受け継がれていて、毎朝7時から手入れをするのが吉田さんの日課。北国にも春が来て、もうすぐ色とりどりの花が咲き始めます。
そして、旅への思いもまた手渡されて、駅舎の中に今日もあるのです。

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(記:紀あさ)