小宮伸二

カテゴリー: ARTIST | 記事掲載日: 2018/06/26(火)

小宮伸二 profile

経歴

小宮伸二/ Shinji Komiya
美術家

1961年 函館生まれ
1987年 多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了

インスタレーション(空間芸術)をおもな表現手段とする現代美術家。東欧を中心とするヨーロッパ、アメリカ、日本などで個展多数開催。アーティスツ・イン・レジデンスやアート・シンポジウム(日本の芸術祭にあたる)などにも数多く参加している。水のインスタレーション、カメラ・オブスクラの原理を応用したもの、音の作品、日時計の原理を応用したもの、スポーツとアートの融合作品、その他コンセプチュアルなものなど、作品の幅は広い。他に、オーストリアではインターナショナルな実験音楽フェスでの舞台美術を担当。ミドルベリー大学などアメリカのいくつかの大学ではビジティング・アーティストとして滞在、学生に講義や共同制作などもおこなう。たとえば、旧ユーゴスラヴィアで舞踏会などに使われていた場所でのインスタレーションでは、アレクサンダー王の死去の際に安置された、まさにその心臓の位置に水滴を落とした。またオーストリアとリヒテンシュタイン国境の街の教会跡ヨハニッタではヒトラーの骨を探すために床が掘り起こされたままの瓦礫の中に作品を創り上げた。

主な個展
2014 『水の庭』 北海道立函館美術館/函館
2013 『水を包む』 水のアートワーク@水の神殿  音更町/北海道
2008 『QUO VADIS DOMINE』 ヨハニッタ教会/フェルドキルヒ/オーストリア
2004 『Living Room – Water Room』 Hotcakes Gallery/ミルウォーキー/アメリカ
2001 『HAMON』 SKC/ベオグラード/ユーゴスラヴィア(当時/現セルビア)
1999 『SHIZUKU』 歴史的建造物 WASSER TURM VIENNA(水の塔)/ウイーン/オーストリア 他

主なシンポジウム
2016 『アートアイランズTOKYO・国際現代美術展ー大島&新島』 伊豆大島/東京
2013 『眺めの家』 Hedya Klein + Heimo Wallner + Shinji Komiya 士幌町/北海道
2013 『中之条ビエンナーレ 2013』 中之条町/群馬県
2006 『Artists residence in der Schwarzenberg’ – HOTEL PUPIK 06’』 シュラッテンベルグ城址/オーストリア
2000 『LABORATORY FESTIVAL TRANSART 2000』 アートセンター・ランパルーナ/クロアチア
1999 『International visual arts symposium Violin ’IMM』 ローゼンベルグ・ミュージアム/スロヴァキア 他

 

作品


《水の庭》北海道立函館美術館 2014

作家からひとこと

「おもにインスタレーション作品を制作している。水滴を落とすことにより空間を水の波紋で満たしたり、地図を頼りに森を散策しなければ決して体験できない作品であったり、カメラ・オブスクラの原理を利用し暗闇のなかに外の景色を逆さま連続多重に浮かび上がらせたり… ,etc. それらの作品は一見なんの繋がりもなくばらばらのように感じられるが、その時その場所でなければ生まれないものばかりである。時間と空間、またはその土地固有の記憶、そういったようなものが創作のうえでの大切な要素となっている。

旅する◯◯とは近年よく耳にする言葉だ。移動という手段によって現状から脱却したいという心情の表れなのかもしれない。そもそもインスタレーションは展示空間の移動(置き換え)から始まったものだが、現在ではナラティブ(物語の叙述方法)がより重要となっている。アーティストは旅人であるが、作品は場所に根ざす。つまり場所と対話する。今回展示空間となるのは第三セクターとして立ち上がった「道南いさりび鉄道」周縁地。そこにはどんな物語がまだ見ぬ聞き手を待っているのか。自分にその小さき声に耳を澄ませ、掬いあげ、紡いでいくことができるだろうか。また、一緒に参加する他の作家のそんな様々な作品に出会えることも楽しみにしている。」

連絡先

作品動画:RAUMstudio
Facebook:小宮伸二