道南Youth【hopeful new comer】 受賞者発表
はこだてトリエンナーレでは、道南にゆかりのある若手アーティスト作品を2022年12月に公募、
10人の作品を「はこだてトリエンナーレ2023」の道立函館美術館会場で展示をしました。
実際の展示作品をみて、同展出展作家と監修学芸員により、受賞作を決定いたしました。
はこトリ賞
はこだてトリエンナーレ2023の作家による投票
首位が同得票2作品でしたため、以下2作品を受賞といたします
小仲実桜 / 光明
滅びがあれば興りがある。
どんな絶望の中にも一筋の光はある。
どちらか一方が欠けることはない。
片方が無ければ気づけない。
光を目指して朽ちた世界の中、私はただただ描き続けるのだ。
大内澪 / Goodder →← Badder (※→←は上下に重なって一文字)
それぞれのベクトルは違うけれど
それは3秒で決まってしまう
創造と彼壊の繰り返しだ
誰かのせいでいきてぇ、走り出したくなったり
残ったバズルのピースみたいな気持ちになったりする
だけど多分わたしはそれに生かされている
必要以上はいらないから
足踏みしている暇もないから
ラヴもヘイトもいらないから
ちっぽけだけれど譲れない場所で
創造をしようと思う
生さてやろうと思う
阿部典英賞
北海道を代表する美術家で、はこだてトリエンナーレ2023に出展の阿部典英さん選
館なぎさ / 自重・自戒・自嘲・自壊
周りを見て自重して
駄目な自分を自戒する
滑稽な自分を自嘲して
果てには自壊する
それでも取り繕った微笑は忘れない
心を締め上げて取り繕っても足りない。
なんて愚かだろう。
もう身を削るのはよして、まずは自分と、そして貴方と向き合おう。
目を合わせるところから始めよう。
大下智一賞
はこだてトリエンナーレに監修として関わる北海道立近代美術館学芸員の大下智一選
藤井新 / 左から、蝶、うさぎと蜜蜂、花とハチドリ
選者コメント
石川潤(はこだてトリエンナーレ2023 メインキュレーター)
小仲実桜さんの作品は、とても澄んでいて、テーマも明確で、観る人にストーリーを感じさせる作品です。
観る人の足を止めるのは難しい事ですが、それを無意識にやってのけている印象です。
大内澪さんの作品からは、世の中や己に対して葛藤があるのが伝わってきます。
明るい画面は、本来の自身の投影。画面から読み取れるテーマは生きてこられた中で育まれた己や外界への疑問。
それらが絶妙な画面となって現れています。
阿部典英(美術家)
青春時代というか、この年齢で、自分をどう表現し、そしてどう生きるのか。人生は、自身のどの時代も、常にどう生きるのかを問い続ける、一生なのです。その迷いを模索し、探し求める姿を、実に率直に表現した秀作です。
大下智一(学芸員)
小品ながら、細かなところまで気を配っていたのが、好印象でした。
いろいろ工夫しながら敢えて、なのか小品
受賞者コメント
小仲実桜
受賞できてとても嬉しいです。 私が絵を描ける時間は残り少ないですが、今回の経験を糧にして頑張っていきたいと思います!
館なぎさ
受賞できて嬉しいです、光栄に思います、ありがとうございました
正直、賞をとると劇的に自身の気持ちに変化があると思ったのですが、そんなこともなく残念というか不思議な感覚です。自分でも満足しておらず今後の課題もあるので今描いているものに集中したいです。
けれど、1部の人に私自身の絵が刺さったのかなと思うと嬉しい限りです。描いた意味がありました。受賞ありがとうございました!
藤井新
この度は大下智一賞に選出いただき誠にありがとうございます。最初にはこだてトリエンナーレの話を頂いた時はすごく不安だったのですが、自分らしい作品を展示できてよかったです。そしてこのような形で評価していただいた事を嬉しく思います。この経験をいかしてこれからも頑張っていきたいと思います。