北海道立函館美術館は1986年9月に開館しました。
函館市史デジタル版によると「函館に美術館を」の市民の声が、1960(昭和35)年頃に起きたそうです。
–昭和45(1970)年に函館市民会館が開館すると、地元の作家や遺族などから美術作品があいついで寄贈された。この頃、将来函館に美術館が建つので作品を寄贈してほしいという呼びかけがあったという(作家・作家遺族談)
(函館市史デジタル版より)
その後、函館における美術館建設は、道立美術館の誘致と結びつき、具体化しました。
–昭和56年11月には市・市議会・経済団体・文化団体などが一丸となり、北海道立函館美術館誘致促進期成会」が発足、全市あげての運動へと展開していった。同時に期成会は「道立函館美術館誘致の陳情」を北海道に提出、並行して市民の支援を求めて署名活動を行った。当初の目標5万人をこえる、6万4180人の署名が集まり、市民の5人に1人が署名するという関心の高さを示していた(昭和57年5月22日付け「道新」)。
(同上)
市民の5人に1人が「美術」に触れる場所を求める街だった函館。その記憶は、この函館の「美術館」の中に、どのように眠っているでしょうか。
今は当たり前のようにそばに在る「美術館」。時には昔のことも紐解いて、これからにつなげられたらと。